キングレコード/THE SUPER ANALOGUE DISC(4)[2014年02月16日]
THE SUPER ANALOGUE DISCの中にもほれぼれする演奏は多々あります。今回依頼を受けたアルバムのなかにHANS KNAPPERTSBUSCH / Vienna Philharmonic / Tchaikovsky / The Nutcracker,Suite,Op.71a / チャイコフスキー:組曲「くるみ割り人形」が入っていましたがこれは特別気に入りました。HANS KNAPPERTSBUSCH氏はワーグナー・ブルックナーを好んで演奏する指揮者と聞いていました。このような小品を振るうことは聴いていませんでした。しかも録音は好きでなっかたようですので名演がレコードとして残されていることに驚きを感じました。「くるみ割り人形」の序曲・行進曲~アラビアの踊り~花のワルツにいたる毅然たる風格にみちてなおかつ遊び心溢れた指揮には感服させられます。演奏・録音・プレスが完璧に整った数少ないアルバムの1枚です。近いうちに試聴ルームにアップロードしたいと考えております。
キングレコード/THE SUPER ANALOGUE DISC(3)[2014年02月15日]
THE SUPER ANALOGUE DISCの音作りはハイエンドオーディオ向きかもしれません。楽器の個々の音色が響き渡ります。スピーカーをもちろんのこと、システム全体の位相をきっちり合わせる必要があります。なおかつ低域がもたついたり、過度のふくらみを持つことは許されません。これらの条件を満たすと楽器個々の響きを聴き取れるのです。この音の響きは演奏会では聞けないものと思います。ふつうはティンッパニーの響きの陰に隠れてしまうであろう、オーケストラの左奥に位置するトライアングルの極微小な響きも鮮明に聴き取れます。これが私にはたまらなく魅力的に感じます。音楽的響きは人それぞれで好みが異なりますが、音の響きは情報量が少ないよりは多い方が優れていると考えても良いのでは?レコードの制作者の意図によるもので違いもあります。
THE SUPER ANALOGUE DISCは全体像を描くと言うよりは個々の描写に焦点を合わせているようで、MFSLは耳を研ぎ澄ませば個々の楽器描写も聴き取れますが、心地よく音楽全体に身をゆだねる聴き方もできます。・・・続く
キングレコード/THE SUPER ANALOGUE DISC(2)[2014年02月14日]
THE SUPER ANALOGUE DISCの第1弾は1986年に10タイトルが発表されました。第2弾も10タイトルで1987年、第3弾は1989年に出ています。私の所有しているアルバムは第3弾までですが、全てVICTOR PRESSでLONDON Labelのものです。レコードは180gの超重量盤でアクリルケースに収められていました。その後、1991年には9000番台になりスイス・プレスになっています。重量も150gに変更されアクリルケースは無くなってしまいます。そして9100番台からは米国プレスになり、重量は再び180gに戻りましたがアクリルケースはありません。7000番台から9100番台まで全てLONDON Labelで、プロデューサーは高和元彦氏です。
私は当然7000番台のVICTOR Pressが最も気に入ってます。ダイナミックレンジが広く、SN比も高くマスターテープの音に最も近いと思えるからです。透明度が高いと一見「音楽の響」が足りなくなる傾向になりますが、VICTOR Pressは実在感も十分得られています。K38C-70010 / 組曲「展覧会の絵」エルネスト・アンセルメ指揮/スイス・ロマンド管弦楽団はほれぼれします。・・・続く
キングレコード/THE SUPER ANALOGUE DISC[2014年02月13日]
2月に入って24bit,192kHzのdigital 化作業の仕事が増えてきました。その中にTHE SUPER ANALOGUE DISCが3枚含まれておりました。3枚とも7000番台(LONDON Label)で、発売元はキングレコード株式会社なのにディスク製造は日本ビクター株式会社になっています。カタログ番号はK38C-7001 ~ K38C-7034の30タイトルがあります。定価は3,800円で2枚組は6,600円でした。THE SUPER ANALOGUE DISCの制作は特殊で以下の特徴を持ち合わせています。
1)ダイレクト・カッティング、2)ハーフスピード・カッティング、3)180gの超多重量盤、4)高品質材料を使用
この特徴はMobile Fidelity Sound Lab(MFSL)のUHQRと非常に似通っています。製造も日本ビクター株式会社ですし、レコード重量はさらに重い200gです。
THE SUPER ANALOGUE DISCにはレコードの顕微鏡写真の説明が入っており、通常盤との比較がされています。溝幅が広く・深い大振幅で記録されています。・・・続く
ケーブルのエージング(2)[2014年02月09日]
Pre-Power間のケーブルをMITからCardas/Hexlink Golden5に換えるだけでDSDとPCMの音の響きが変わるので、一概にDSDが音場を表現しており、PCMが音像表現に優れているとは言えません。しかし、DSD再生がPCM再生より中低域の音の響きに豊かであるのは確かです。MITではバランスよくふくらんで試聴できたEarl Klugh/Finger Paintings , Cat Stevens / Tea For The Tillermanの押し出しの強い中低域の解像度がCardasでは不明瞭になってしまいました。その一方でPCM再生時にはMITでは高域がすこしきつく感じていた響きが滑らかになります。ケーブル1本を取り換えただけでも明瞭な違いが生じるのですから、システムによって全く違う音の響が得られても不思議はなく、結局は自分自身で試行錯誤を体験するしかありません。
MFSL Beatles Colection(BC-01 ~14)の最終録音(5)[2014年02月08日]
Beatles/Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band(MFQR1-100)は1日に24 bit,192kHzで録音しました。
今日はこのMFQR1-100SFをX64DSDで再録音しました。同時に、他のMFQRのアルバムも5種類 X64DSDに変換して比較試聴してみました。MFQR1-005/Supertramp/Crime Of The Century , MFQR1-017/Pink Floyd/Dark Side Of The Moon , MFQR1-025/Earl Klugh/Finger Paintings , MFQR1-035/Cat Stevens / Tea For The Tillerman , MFQR1-084/Alan Parsons Project / I Robot
これらの6種類のアルバムを聴くと24 bit,192kHzのPCM による再生が適しているのは1-005,1-017,1-084の3アルバムで、
X64DSDが適しているのは1-025,1-035,1-100と分かれました。PCM録音は高域がきれいに伸びており、情報量も多く緻密な響きを得ることができます。一方DSD録音は中低域に充実感を感じることが可能で心地よい響きがえられます。あくまでも私のシステムでの限られた条件と私の嗜好ですので客観性はほとんどありません。
皆さんもご自宅で比較試聴して、感想をお聞かせください。
ケーブルのエージング[2014年02月07日]
J.R.D.G / COHERENCE(プリアンプ)とMODEL 8T(パワーアンプ)間はCardas / Hexlink Golden 5(XLR) /5mを長年(6年)使ってきました。それ以前はMIT SHOTGUN (XLR) / 8mを使用(7年)していました。今回このMIT Cableの端子をNEUTRIK XLRからCARDAS / CG F XLR およびCG M XLRに取り換えてみました。接着にはCardas/銀半田を使用しました。
最初の1か月は結構満足していましたが、エージングが進むほどにスピード感が増し、低域が細身になってふくらみが少なくなってしまいました。情報量は多いのですが低域の響きに余韻がないのです。ピアノ・弦の小編成物は良いのですがオーケストラになると不満が漂います。仕方なくCardas / Hexlink Golden 5に戻すことを考えたころから再び低域が心地よく響くようになってきたのです。そのままMITを使い続け2か月目に入ってますます好調な響きを演出してくれます。もうCardas / Hexlink Golden 5に戻ることはないでしょう。それどころか、Cardas / Hexlink Golden 5の端子もCARDAS / CG F XLR およびCG M XLRに取り換えようと考えています。
MFSL Beatles Colection(BC-01 ~14)の最終録音(4)[2014年02月06日]
今日はBC-01 / Please Please Me ,BC-02 / with the beatlesの2枚を録音しました。BC-08に比べると曲・演奏・録音いずれもSimpleです。
Please Please Meは複雑な編集をすることなく録音されているのでさわやかでみずみずしい響が得られます。しかし、with the beatlesは元々monoでの録音を疑似stereo化されたもので楽器と声が分離しておりSeparationに不自然さが感じられます。24bit,44.1kHzではそれほど気になりませんでしたが、24bit,192kHzでは顕著にあらわれます。
それにしても24bit,192kHzの情報量の多さには驚かされます。まさにスタジオの響きで楽器の位置やマイクの配置までもが目に見えるようです。
Please Please Meは2Track Recordingでしたが、with the beatlesの録音が終了する直前に4Track Recordingが導入されたと記憶しています。機材の変更が録音に大きな影響を与えたのです。
MFSL Beatles Colection(BC-01 ~14)の最終録音(3)[2014年02月03日]
Beatles/Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club BandこのアルバムはMFSLから2種類が発売されています。MFSL1-100 およびMFQR1-100です。一説にはBox Set/BC-8とMFSL1-100は異なった時期にプレスされており、同じではないと伝えられていますが試聴する限りでは同じであると思います。しかしMFSL1-100とMFQR-100はまったく異なったものです。音の響きはもちろんですが、アルバム全体の録音時間が異なっています。曲の演奏時間もずれています。はっきり違いを感じるのは曲間で、MFQRでは微小信号が埋まっており空白時間は皆無ですが、MFSLにはわずかながら無音部分がそんざいしています。
今回初めて感じたのはこれまでのBeatles Soundは24bit,44.1kHzのデータが最も良い印象を持ってきましたが、24bit,192kHzのデータに圧倒的な情報量の多さに驚きました。
これまで市販されてきたいずれのCDにも引けを取りませんし、純正のハイレゾデータ(24bit,44.1kHz)にも遜色ありません。ぜひ当試聴ルームにお越しになりその響きを体験してください。
Beatles Sound の新たな一面を垣間見ることができます。
そこで、当初の計画を一部変更しました。CD-R化は先に延ばし、まずは24bit,192kHzのxxx-ABと波形編集をしたxxx-SFの2種類を作成することにします。これならば約2週間でBeatles Colectionの録音が完了します。・・・続く
MFSL Beatles Colection(BC-01 ~14)の最終録音(2)[2014年02月02日]
MFSL レコードのほとんどは中古をアメリカから購入(e bayによる落札)していますので、盤の状態がいいものばかりではありません。
DAT tapeではどうしようもありませんが、PCでの取り込みは波形編集ソフト(SONY/Sound Forge Pro)を使えるのである程度の傷・塵は音声に影響を与えないで取り除くことも可能です。
このソフトはプロ使用で私が使用する術はほとんどなく、自分で経験を積むしかありませんでした。一括でアナログノイズを除去するやり方もありますが、本来あるべき音声データも取り除かれつまらない音の響きになってしまいます。しかしすべてを波形から読み取るのは現実的ではありません、音性を聴いてはじめてノイズと判断できることも少なからずあります。逆に波形やヘッドフォンによる音声確認ではノイズと思っていた音が実際にはベース奏者の足踏みであったこともあります。毎日が新しいことの発見につながります。・・・続く
デジタルカメラを横浜に忘れてきたため写真をアップロードできません。1日の初日はBeatles/Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Bandの録音をしました。このアルバムはMFSLのなかでも特に録音のすぐれているUHQRでもプレスされております。盤の重量は200gと通常のレコードより重くかつ厚く製作されています。プレスに要する時間も普通は5秒程度、MFSLは20秒ほどですがUHQRは90秒と言われています。プレスされる枚数も5,000枚限定で、シリアル番号も記載されています。近日中に画像を公開します。