響きの錬金術物語(2)[2012年11月12日]
2) これまでは、音楽などの保存と記録媒体の流れを簡単に列記してきました。この流れで、何が変化してきたのか、を少し考えてみました。機械式音響記録(筒式録音と初期円盤式録音)はまだ増幅器が発明されていなく、記録媒体に機械的に記録してそれを喇叭式のホーン再生拡声器で聴いていたのが現実です。このころの装置も大きなもので、音響的内容は聞こえればそれなりに評価された、良い、時代背景でした。その後円盤式が進化して記録媒体として、量産化の時代が来ました。このころには、真空管の発明もあり音響的に増幅機能が追加され、音響的再生帯域が広がり、音楽が聴けるくらいまでに来ました。ここで、本来の<響きの錬金術>の話題に切り替えてみましょう。これらの進化と変化で何が変わり、それにのめり込む事になったのか、そこが今回の響きのテーマと考えています。そこに、良い響きがあり、それを追い求めて、現在の<オーディオファイル>が生まれたと考えれば、<響きの錬金術>の意味が関連して、少し、わかってきた感じです。・・・ 大村正則
44.1 , 88.2 , 96 , 192kHz,24bit で録音(4)[2012年11月12日]
D)RME fireface UCX で録音し、RME fireface UCX で再生した時
44.1kHzから192kHzまで全て再生可能でした。音質は細身ながら音場感は豊かで低域も締まっており、CartridgeにModel 901を使った時の聴こえ方です。44.1kHzよりも96kHzのほうが音場感が増し、情報量も増加しています。他と同じように192kHzの良さは感じられません。
4:まとめ
・サンプリング周波数は96kHzで録音するのが最も効率が高く、192kHzにするメリットは少なく、データ量の膨大なことを考えると現状では不必要に思われた。
・響きの豊かさを比べるとAyre QB-9が最も高く、次いでapogee ME , RME fireface UCXと徐々にスリムになっていく。このあたりは好みで分かれるでしょう。
・私の個人的な趣向では録音はapogee MEで96kHz , 24bit で行い、Ayre QB-9で再生するのが一番好ましく感じました。
・beatles の USB バージョンは44.1kHz , 24bit で録音されていますが、Ayre QB-9で再生してやると、remaster CDとは別次元の解像力で情報量の多さに驚かされます。しかし、私にはどうしても弦の響きが強すぎて全体のバランスに納得できません。beatles に限って述べるならば、Mobile Fidelity Sound Lab のLPをSHELTER HarmonyのCartridgeを使いAPOGEE ME で96kHz , 24bit で録音し、Ayre QB-9で再生するのが一番だと自負しております。もちろん、SHELTER Model 9000やModel 901の方が良い曲も少なからず存在します。・・・続く